施術プロの方からのご相談
最近、プロの施術者の方や
プロ志望の方からの
お問い合わせが増えています。
わたし自身もご質問と同じ事で
様々悩んで来ましたので、
修行時代を
もう一度噛みしめる思いで、
お返事をさせていただいて来ました。
しかし段々といただくご相談に対して、
電子メールでのやり取りを
進めてゆくことが難しくなってきました。
そこで、お返事の代わりに、
少しずつ書き留めたものを
こちらへ置いてみましたので
何かの参考にしていただければ
とてもうれしいです。
こちらにありますものが、
停滞打破のための
ヒントに繋がりますように
願っております。頑張ってください。
ところで、、個人的な感想からですが、
からだを壊す施術者が
とても多い印象があります。。。
理由は二つ考えられます。
ひとつは、習熟度の低さが原因の場合。
もうひとつは自ら施す施術技術が元で
からだを壊すケースです。
はじめの問題は論外ですが、
後者の方、
懸命に活動なさっているにも関わらず、
からだを壊すケースについては、
とても残念に感じています。
実は、これらのトラブルが起こるのは
施術者個人の問題である場合はとても低く、
本当の原因は、
もっと上の階層から来ています。
それは、施術を教授した方の問題、
施術を教えている
学校の問題が根底にあります。
その意味で、施術者自身も
『被害者』ということになるかも知れません。
トラブルに悩み
お問い合わせをいただく皆さんは、
自分を厳しく責めておられる方ばかりでした。
まずは、気を楽にして、、、
こちらのページに在るメモなどに
目を通していただければと思います。
こちらにある何かが、
あなたの悩み解消の為の
手がかりになりますように願っています。
ご質問-その1
学んできた技術が効か無いのですが。。。
わたしが技術を教えている時も、同じご質問をいただくことが良く在ります。原因についてですが、わたしは3つの理由を考えています。先ず、やり方が間違っている。次が鍛錬が足りない。最近このケースが最も多いようです。最後は、技術を自分でアレンジしてしまっている。これは自分でも気づかない内にということも結構多いと思います。講義の際にノートを録っている段階で、全く違う内容の記述が出来上がっている場合も多いと思います。そしてこれら3つとは違いますが、教授していただいた先生の力量に問題がある場合です。その様なわけで、ご質問への答えですが、わたしとしましては基礎鍛錬に少し時間をかけてみてはどうかと考えます。進行具合が気になる場合は直接聞いて下さい。一緒にやってみましょう。
ご質問-その2
調整が結果に結びつかないことが多く、どうしたらよいかアドバイスをお願いします。
幾らやっても結果が出ないのは、精神的にとても疲れますよね。わたしも同じことで悩んだ時期があります。仕事量に対して結果が現れてこないという時に先ず考えなければならない事が2つあります。一つ目は『やり過ぎの問題』二つ目は『からだの勢いの見誤り』です。一つ目の『やり過ぎ問題』とは、施術の度が過ぎて却って変化の過程を壊してしまっているケースです。これは農業、植物との付き合い方のように、水や肥料の与えすぎで枯らしてしまうこととよく似ています。施術は物足りないと感じるくらいが丁度好く、その渇きといいますか、もう少し『何か』を欲するからだの欲求が他の部分を引き込み活性化を誘導させるのです。(こういう事は秘伝に属する話ですが。。。)度が過ぎると身体をダラけさせ、機能の不活性化を誘導することに繋がります。リラクゼーション系の技術がからだの機能の変化を誘導できない理由のひとつに この問題があります。
二つ目の『からだの勢いの見誤り』とは疲労と壊れ具合や病気が進む勢いが強く、身体が回復のコースに入っていないにも関わらず、通常の調整を行ってしまうことで起こります。施術による刺激を受け取る準備が無い状態のからだに対して色々するということは、百害在って一利無しです。回復に向けて勢いを再び取り戻すという過程が無ければ、何度やっても結果には繋がりません。
からだの勢いに関しては、死へのコースへ入っている場合も在りますので見極めは慎重に進める必要があります。
ご質問-その3
将来的に独立を考えているのですが、数年勉強をしただけでは。。。
(質問続き・・・) 数年勉強をしただけでは経験不足ではないかと感じています。そこで近くにアルバイトを募集しているお店があり自給も良いので応募してみようと思っているのですが、どうでしょうか?
経験のために、治療施設にアルバイトに行きたいと言うお話はとても多く伺います。ですが、わたしとしては止めておいた方がよいのではと思っています。理由は、ほとんどの治療院では『自分の学んできた』技術や方法を使うことが出来ないからです。お店のルール通りの方法での仕事をしなければならない場合、技術的、身体的に『不本意な癖』が付いてしまうという被害が起こり得ます。また、癖が付くだけではなく無理な施術方法で術者自身がからだを壊すことが多いということもあります。
更に、これらのアルバイトは概しての高時給のものが多いのですが、それだけ労働条件が厳しく辞める人が多いということの現れであると考えられますので、やはり変な技術から受ける影響が心配されます。しかし、当たり前のことですが全てが危険な訳でもありませんので、好い技術の先生がおられるところならば、お勧めしたいと思います。しかし、その様なところでは先生が認めた弟子がいるものでアルバイトなど募集していない様に思いますが。。。
厳しいことばかりを言いましたが、臨床の経験を積む方法を一つ挙げさせてください。それは家族や友人にお願いをして定期的にからだを調べさせていただくということです。この場合『定期的』ということが大切です。ひとのからだは機械ではありませんので、環境や四季の変化などによって様々に影響を受け変化をしています。定期的にからだを調べさせていただくことが出来れば、それらの変化や調整法の組み立てなどを効率良く学ばせていただくとができます。スムースに出来るころには、驚くような技術が身に付いているはずです。その頃には口コミが自然に起きて、独立し仕事として活動をしなければならない状況に追い込まれていくはずです。焦らず、頑張ってください。
ご質問-その4
開業の際、店舗を構えるか、出張専門かで悩んでいます。
いきなりお店を構えても人が集まって来るまでに、相当の金額の無理が起こると思います。初めてならば、出張、往診でスタートし、ある程度人数が増えた段階で、店舗を検討してみるという方法はどうでしょうか。あなたの施術がからだを変えるための技術であるなら、往診にはメリットがある ためお勧め出来ます。反対に癒しやリラクゼーションを提供する施術であるならば、往診ではデメリットが多く難しいと思います。伺った先のお宅で施術を受けて気分的に癒されるという方は少ないのではないかと思うからです。やはり精神的な癒しには非日常のちからがある程度必要ではないかと考えます。往診についてのメリットですが、お伺いするお宅での生活スタイルを知ることが出来る という面が在ります。ご存知の通りわたしたち人間のからだとこころは一体で出来ています。からだを悪くされている方は、生活スタイルに何かしらの特徴をお持ちの場合が多い傾向があります。家族関係、仕事スタイル、思考スタイル、それらは精神に影響を与え、またからだの機能を変化させる原因にもなってゆきます。往診でお宅に伺った際には生活の背景を知ることが出来、また、それらの環境を好転させることで施術をより効率的に生かすことが出来るのです。
そして、もう一点副次的な効用があります。それは、片付けるという視点です。自分の生活スペースに人を招き入れるという際には、大概の方は片づけをすると思います。生活スペースの片付けは、病気や症状の改善効果に即繋がります。
わたしの場合も場所を固定するという方法を何度か試しましたが、ご相談いただくケースが特殊なことが多いため、最終的にはほとんどの方が往診に移行して行くため現在のような活動スタイルになっています。
ご質問-その5
慢性の病気の方なのですが、変化が全然無い人がいます。
変化が全く無いということが気になりますね。それ以外の方、ほとんどの方には変化があるということで理解するのならば、技術の問題以外のことが原因と考えることが自然かなと思います。
色々な事が考えられますが、手を尽くして色々調べられていると思いますので、ここでは、話の視点を切り替えて進めさせてください。
病気には、顕在意識、または潜在意識下両方で考えられますが『治ることが怖い』『治ると困ることがある』と思っている方が結構な割合でいるという事実が在ることを、先ずは知っておくことが大切です。そして、『変化が無い』とおっしゃる方に対して、わたし達には何が出来るか考えてゆくことが重要であると思います。
病気であることは非常に苦しい事ですが、メリットが無いとは言えないのです。
優しくしてもらえる、わがままが通る、何かが上手く進まない言い訳になる。その多くがこころの問題を内包しています。その問題こそ、わたし達が本当に手をつける部分であると考えます。こころと身体は一体のものとして捉えているのが東洋医学で在り、その技術の真骨頂といえると思っています。何か、ヒントになりましたでしょうか?
ご質問-その6
『もっと強く、もっと強く』と凝りの強い患者さんにお願いされ困っています。
身体が疲れ過ぎの状態が長く続きすぎ、身体が鈍くなってしまったという人は結構多いと思います。しかし要望にあわせて強い刺激を加えることはご相談をされる方のためにも非常によくないことです。さらに技術を使う側の体力面でも結構大変な事だと思います。身体の使い方を覚えれば、かなりのちからを使いこなす事もできると思いますが、やはり何人もフルパワーでの仕事というのは相当しんどいと思います。そこで、わたしがお勧めする方法は、クライアントさんの身体の『感受性を上げる』ことです。弱い少ない刺激で満足感や効果を引き出すことが出来ますのでお勧めです。勉強された調整技術によってさまざまな方法が考えられると思いますので、試してみてください。ご相談をいただく方に喜ばれますし、何より仕事が楽になりますので特にお勧めできます。
ご質問-その7
調整後に具合が悪くなられる方がいます。悩んでいます。
調整後に好転反応が現れることは知られていますが、その事とは別に、施術でからだのバランスを崩しやすい状況をお持ちの方がおられますので注意が必要です。それらの半分以上の方が、施術でからだの緩みが強いと気分が悪くなりやすい というところがあります。
特に癒しの施術技術でお仕事をされている場合には気をつける必要が出てきます。その様な方は、首や腿部に独特の強い異常感、凝り が在りますので観察の際に注意して下さい。
とは言いましても、施術によってこれらの状況が出るということは、裏を返せば、それだけからだに対して刺激がしっかり浸透する確実性のある技術が身に付いているという証ということにもなると思います。勉強しても施術によって変化が出せるというひとは、本当に少ないですので自信を持っていいと思います。後は経験で乗り切る事ができると思います。がんばってください。
ご質問-その8
調整を痛いという人が多く、なんだか自信をなくしています。
ご相談をされる方にとっては『痛気持ちいい』感じでも、『不愉快な痛み』でも、同じように『痛い』と表現される方が多く、痛みといっても言葉だけでは判断が難しい部分があります。その見極めが面白いわけですが。しかしここでは、手の感触でそれらの違いは判別できるということを前提でお話を進めます。
注意が必要なことは、症状などによって痛みを強く感じる場合がありということです。
余剰エネルギーが体内に溜まっている、からだの感受性が過敏な状態にある などが代表的な例ですが、実に色々な原因で起こります。そのどれもが術者の不手際ではありませんので、問題への対策としてはご相談者へのカウンセリングがとても大切になります。過敏も余剰エネルギーも調整で変化をつける事は簡単ですが、発症の原因が生活習慣に繋がっていることが多いため、繰り返しを防ごうと考える場合は重要な視点になります。また、痛みを怖がるばかりでなく、痛みをどの様に利用してからだ創りを進めてゆくかを丁寧に説明し、体質改善のために一緒に取り組む姿勢を理解していただくことが出来れば、痛みへの不安も一気に解消してゆくとも思います。
ご質問-その9
独立を考えています。資金に余裕がありません。。。
(質問続き・・・) 小さな店舗で仕事を進めるためのアドバイスをいただけないでしょうか。
施術業の分野は施術者の爆発的な増加と店舗の乱立が進んでいます。しかし投入できる資金に余裕がある方で無いと、直ぐに他のところにご相談者を吸い取られてしまうという現実が在ります。そこで資金的に体力が無い場合、わたしは『往診』での開業を勧めています。往診のよいところは、他の形態の仕事よりも結果をスムースに引き出すことができる点です。往診は生活環境や、それに伴い意外なことに気づかされることでクライアントさんが思ってもいないような方法に取り組むことができるため、施術の効率化、進度が格段に好いのです。加えて 家族の協力が得られるという強味もあります。デメリットは1日に診ることができる人数に大幅な限界がある点ですが。また往診は口コミでご相談の方が広がってゆきますので質のよい広がり、繋がりを作ることが出来ます。双方に有意義でここちよい生活が広がるというもっとも素敵な点があります。ぜひ検討してみていただきたいと思います。デメリットの件ですが、仕事を始めるとかなり早い段階で一件の往診先に数名で集まるようになると思います。そうなると結構忙しいものですよ。
施術技術、能力のトレーニング法につきまして
(注:があります。)
東洋医学の技術を仕事にしたいと考えておられる方には、需要に対して技術者の数が追い付いていない現実があるため、本当にがんばって欲しいと思っています。わたしはプロの方への技術の教授はやらないのですが、からだづくりの役に立ちそうな鍛錬法をこちらへ置いておきたいと思います。
きちんとこなせば、確実に実力が付くものですのでがんばってください。応援しています。
注:鍛錬はどれも時間が必要なものだと言えます。
鍛錬に時間が必要なのは、我慢強さを鍛えているのではなく、ある種の『勘』を身に付けることが目的に在るためです。これは言葉や文章で説明することがとても難しいので、ひたすら時間を掛けて没頭する他ありません。その様な理由もあり、何であれ身体的な技術は、昔から師弟関係、口伝を通じての伝承がされて来たのです。
その① 相手の中心軸を読むトレーニング
街を散策しながら、周りのひとに怪しまれないようにからだの観察をしますこの際、『歩きながら』ということがポイントで、集中力を極力抑えながら観察するという訓練をしてください。集中度合いを30%くらいにコントロール出来ればまずまずでは無いでしょうか。
観察のポイントは、からだの中心線を読むこと。出来れば背骨の柔軟性と可動性について読むことに意識を向けてください。感覚が鍛えられてくると他にも色々なことを観ることが出来るようになると思います。鍛錬によって感覚が強化されてゆくと施術時の観察が驚くほど楽になると思います。街を歩きながらのトレーニングについてですが、恥ずかしいからといってサングラスや帽子などで目立たないように服装を考えて、、、と思うかもしれませんが、、却って怪しまれます。(経験談です。。。)身だしなみには気を配ってください。
1万人もやれば何となく感覚が掴めて来ると思います。頑張ってください。
その② 肚に息を入れるトレーニング
鍛錬によって、丹田のトレーニングと指先の集中力を強化します。
手指の感度向上と丹田を鍛えることにより技術にキレが出るようになると思います。
1、姿勢を決めます。(馬歩、結跏趺坐の型は調べてください。)立ってはじめる場合は馬歩の姿勢が適当かと思います。座ってやる場合は正座か結跏趺坐が身体が安定しておすすめです。あぐらや椅子に座った姿勢では自分自身の中心軸がぶれます。加えて、気血の巡りの不安定から気分が悪くなることがありますのでお勧め出来ません。
2、手指に集中する
楽に手指に意識が集まる姿勢を取り指先に意識を集めます。馬歩の手の型のまま、指の間を意識する形を採ったり手を合わせて合掌をしてみたり、手をドーム型に構えてみたり、手をボールを包み込むように交互に合わせてみたり色々なかたちで試し、自分に合うものを探してください。
3、呼吸を止め、丹田のちからとの繋がりを感じる。
集中が高まったところで、肚を膨らませ腹圧を高めさらに手指の集中に負荷をかけます。この際呼吸は、『息を吐き切ってから肚を膨らます場合』と『息を胸一杯に吸った状態から肚を膨らます場合』の2つ鍛錬方法があります。どちらかというと、後者の方が負担が大きく効果は高いのですが、慣れないと負荷が強くて倒れますので、初めは息を吐き切ってから試してください。
無理をすると、本当に頭の血管が切れることや脱肛、鼠蹊ヘルニアになることがありますので慣れないうちは無理をしないでください。
呼吸が苦しくなる一歩手前で溜まった息を開放します。この時、手指に独特のボワンとした開放感が残れば成功です。そのまま、荒くなった呼吸が落ち着くまで待ち、始めに戻って同じことを30~40分繰り返します。
この時の手に残るボワンとした感覚を『気』と表現されている方もおられますがこの感覚は急激に手指の血流が変化することによる特有の感覚です。
気の感覚とは違いますので注意してください。
半年~一年も続ければ驚くような手指の感度となっているはずです。それでも、稀に向上が見られないというタイプの方もあります。いよいよ問題の在る方には、改善のため専用の漢方薬も処方も一応在りますが。。。
その③ 手指の感度鍛錬
こちらのトレーニングは前者のものからもう一歩踏み込んで、手指の感覚を鍛えるための鍛錬になります。手を指先がぎりぎり付かない形でドーム型に構え
胸の前や顔の前、お腹の前に据えます。肚(はら)でゆったりと呼吸をしながら、からだのリズムを整えます。指先の各指先の一点に意識を集中し、指の感覚をしばらく味わう始めは5分程度から、30分できればまずまずです。30分できるようになったら、今度は、続けて 『手の甲の部分』 に意識を向けて同じように感覚を感じます。
十分に感じがつかめたら、再び指先に戻りしばらくしてから次は、手のひら側に意識を向け感覚を味わいます。そして最後に指先に戻り、感化が安定したところで終わります。この段階も慣れてきたら『指先⇒手の甲⇒指先⇒手のひら⇒指先⇒手の甲⇒指先⇒手のひら⇒指先』と、ぐるぐる繰り返しながらの鍛錬に移り、最終的には、このぐるぐる繰り返しの感覚鍛錬自体を長時間続けるようにがんばって下さい。
その④ 手指の疲労調整
からだの使い方が慣れないうちは、局部的な疲労が蓄積しやすいと思います。
特に多いのが手指の疲労だと思います。軽度の疲労は手首をよく揺すぶることで、楽に解消されますが疲労が痛みや動きの悪さ、変形まで行くとなかなか厄介になってゆきます。強い疲労の際は、指や手首から離れて腕や肘の調整まで視野を広げる必要があります。特に調整は肘と手首の間の筋肉に重点を絞って観察してゆきます。肘から手首に向けての二本の骨の間が、特に硬くなっていると思いますので、重点的に緩めてゆきます。緩めに入る前に、硬い筋肉を捕らえて手首をぶらぶらさせる予備調整を加えることで効率的に調整が可能になりますのでお勧めです。
親指のトラブルは、脳関連の故障を誘発しやすいので十分なケアを心がけて頂きたいと思います。